福祉避難所40か所、高齢者・障害者ら受け入れ
東日本大震災で、被災した高齢者、障害者、妊婦らが避難生活を送る「福祉避難所」について、岩手、宮城県内を中心に、少なくとも6自治体が約40か所に開設していることが2日、分かった。
家族らを含む約290人が入所、一般の避難所では支障のある災害弱者の支援拠点となっている。
在宅の要介護高齢者らを対象に、専門の介助員を配置した福祉避難所は、福祉施設のほか、一般の避難所の一角などに、都道府県や市町村が開設する。1995年の阪神大震災の際、高齢者などのケアが不十分で、「災害関連死」が相次いだのを教訓に創設された。
地震直後から、30か所の福祉避難所を順次開設した仙台市では、一般の避難所で看護師や保健師らが援護が必要と判断した人など計250人を受け入れてきた。現在、約120人が生活している。市内の宮城野障害者福祉センターに設置された福祉避難所には、認知症の高齢者、身体・知的障害を持つ人ら13人が避難。寝室としている部屋には、床での生活が困難な人のため4台のベッドを入れたほか、体を動かす機会が減り、心身の機能が落ちる「生活不活発病」の予防のため、食堂ホールで絵を描いたり、折り紙をしたりして日中を過ごす。介護事業者などからの支援も受け、看護・介護の専門職で夜勤体制を組む。
(2011年4月3日 読売新聞)